私はずっとチョココロネを食べたかった
0655という番組をご存知だろうか。朝6時55分から始まるEテレの番組で、世の中が目覚める時間に爽やかな曲やポップなアニメーションで一日を迎えることができる。
うみじまは小学生〜中学生の頃、家族でよく見ていた記憶がある。
その番組中に流れていた、「チョココロネをたべるのどっちから?」という曲。
あたまから食べるかおしりから食べるか、いやいやそっちがおしりでしょう などなど…
チョココロネと真剣に向き合った人しか書けない歌詞が、かわいいメロディで歌われている。
その歌詞のひとつ
「チョココロネ チョココロネ
先っぽをちぎって チョコつける」
私はこれにとてつもない衝撃を受けた。
細い部分は2ロールほど、チョコクリームの行き届いていない部分がある。そこをちぎって太い方から見えるチョコクリームをディップして食べると歌っているのだ。
聴いた当時は今すぐ試してみたくてしょうがなかった。しかし、ひねくれキッズのうみじまはチョコレートが好きではなかった。パンはチーズパンしか食べなかった。
でもどこかでチョココロネを食べたい気持ちを募らせていた。
時は流れ、うみじまは22歳。チョコレートも嗜めるいい大人になった。年始のショッピングモールでの買い物中、一休みをするためにパン屋さんでコーヒーのお供のパンを選んでいた。
ふと目に入った、チョココロネ。
あの曲が軽快に脳に流れる。
「チョココロネ チョココロネ
先っぽをちぎって チョコつける
チョココロネ チョココロネ
とんがった方には チョコがない」
今日しかないと思った。今がチョコのつけ時だと思った。気づけばコーヒーも頼まずレジを済ませ、イートインスペースに座っていた。
歌詞通り、先っぽをちぎってチョコをつける。
とんがった方にはチョコはなかった。
あの日から夢に見た、先っぽをちぎってチョコつける。10年近くの夢が叶った瞬間だった。
私はきっとずっと、チョココロネを食べたかった。チョコが苦手とか関係なく、それ以上のあこがれがあった。美味しい以上に夢が叶った事にとても感動した。
皆さんも日常に隠れた小さな夢を叶える喜びを、チョコクリームたっぷりチョココロネを、ぜひ味わってみてはいかかでしょうか。